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季節は色鮮やかな紫陽花が咲き誇る梅雨に入りました。 もうすぐ暑い夏の到来ですね。
こちら静岡は故郷の岐阜に比べると、夏は爽やか、冬は温暖といった地域なのですが、やはり梅雨は洗濯ものがなかなか乾かないし、家じゅうにまとわりつく湿気が何かと憂鬱です。
雨でお出かけも ままならないという状況もあるでしょう。
おうちで過ごす時間も多くなりそうなこの時期。家のお掃除は勿論、普段とは違った手の込んだ料理を作りたくなる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は長期保存も可能なワインに合うお料理をご紹介します。
バゲットに乗せていただきました。フレンチの伝統料理「リエット」。
じっくりコトコト煮詰めたり、一晩冷やし固めたりと手間がかかりますが、できあがったリエットは絶品です。
普段は、赤ワインを飲まれる方も夏は軽快な白ワインを選ばれる事も多いかと思います。
リエットはパテに似たフランスの肉料理で、シャルドネのお供にぴったり!ほどよく冷えたシャルドネと、冷たいリエットを載せたバゲット…。うーん、ワインが止まらない!ただ食べすぎには注意です。
夏はさっぱりした料理も良いですが、リエットのような、濃厚な塩味が利いた冷たいオードブルが用意してあったりしたら個人的に「この人、気が利いてるな~」って思っちゃいます(トキメク瞬間!笑)味はソーセージやハムのようなもので、苦手な人はあまり居ないと思います。長期保存も可能ですので、冷蔵庫に常備してあるとパっと出せて良いですね。
今回作るリエットとは、パテに似たフランスの肉料理です。豚のバラ肉や肩肉を、細かく角切りまたはみじん切りにして、しっかり塩をしてから、脂肪(ラード)で加熱します。ホロホロになるまでゆっくりと加熱し、ペースト状になるまで炒めます。いただき方は、常温にさまし、パンやトーストに塗っていただきます。
リエットは、フランス語で直訳すると「豚肉の塊」という意味です。リエットの発祥地は24時間耐久レースで有名なフランスのル・マン。ル・マンは日本と同じく水産漁獲量豊富な地域ということもあり、豚肉の他、魚や、鴨、ガチョウなどの素材で作るものもあり、それらは同じくリエットと呼ばれるのだそうです。
ちなみに似たような料理でパテやテリーヌがありますが、明確な違いは曖昧みたいです。
【パテ pâté】…肉や魚を細かく刻んでそれをペースト状もしくはムース状にしたもの。
【テリーヌ terrine】テリーヌ型(オーブンウェア)を使ったパテは、総称としてテリーヌと呼ばれてます。
要するに、全部パテでいいじゃない…!と、言いたくなりますがリエットはペースト状にする段階でちょっと粗目にしたりするので、粗いのは「リエット」。形が完全に留める事無くペースト状になっているのはパテ。テリーヌは型に入れて蒸したり、焼いたりしたもの。みたいな位置づけで思ってればOKだと思います。
リエットに合わせたワインをご紹介。
品種:シャルドネ
国:フランス マコン ソルトレ・プイィ地区
生産者:ピエール・ヴェシゴー
ビオロジック(認証待ち)プイィ・ヒュイッセが持つ「エレガンス」と「ミネラル」を表現するため、バトナージュは30年以上行わず、新樽比率もほぼ0。凝縮感とミネラル、エレガンス、豊かな果実味を表現するワイン。
味は甘くてフルーティー。
白のピエール・ヴェシゴー
んー。おいしそうー。
開けた時からいい香りがします。これは期待大。
ふむふむ…。白ワインですけど、なかなかしっかりしたお味。
第一印象は洋ナシや林檎に似たフルーティーさを感じましたが、時々バターやアーモンドなどのオイリーな薫りもあり。味は確かにミネラル多めかも。
そういえばワインの参考資料にも バトナージュは30年以上してなく、新樽比率もほぼ0、と書いてありました。現当主ピエールは90年代からビオ(ビオロジックワイン/フランス語でオーガニックワイン)をやっているということもあり、本来のシャルドネが持つ 軽やかで複雑な性格を最大限に引き出し、エレガントな薫り高い上質なワインに育てたのですね。
■ラ・ルパッス・ド・モンターニュ バンジャマン・ダルノー 2016 赤 (写真左)
品種:グルナッシュ40% シラー30% カリニャン30%
国:フランス
ピレネー山脈の麓「カラマニー」村近くの花崗岩(かこうがん)質の畑で収穫されたブドウを使用。ル・パッス(リ・パッソ)という醸造方法を使用したワイン。
■ピエール・ヴェシゴー 2017 白 (写真右)
品種:シャルドネ
国:フランス
ビオロジック(認証待ち)、プイィ・ヒュイッセで最も早くにビオに転換を図りました。(2013年までは認証あり)ヒュイッセにあるマコン格付けの3つの区域のブレンド。ボワ・マレシャルよりも標高、粘土質に優れる区画。フードル熟成。ボワ・マレシャルよりも力強く、ボリュームを感じる。
2〜3人分
1. 鍋に油をひき、小さくカットしたバラ肉に焼き目をつけます。
2. バラ肉に焼き目がついたところで、フライパンの片側に寄せます。空いたところに玉ねぎ、にんにく、ベーコンを入れて一緒に炒めます。
3. 玉ねぎがしんなりしてきたら材料がひたひたになるくらいの水を加え、セロリ、パセリ、ローリエを加えます。塩コショウで調味します。一度沸騰したら、弱火で1時間から1時間半ほど弱火で煮込みます。
4. 汁気が少なくなり、お肉はトロトロになったら火を止めます。
5. 粗熱が取れたら、耐熱容器に移し替え冷蔵庫で1晩寝かせます。冷やすことでお肉に味がよく染み込みます。
6. 一晩経過しました。
しっかり冷ますとバラ肉の脂が白く固まります。
これをスプーンやパレットナイフで丁寧に掬(すく)います。
上手くできなかったので、脂が多そうなところをまとめて掬いました。
※この脂は後で使います。
7. ローリエの葉を取り除き、6で脂を取り除いたお肉にナツメグを混ぜ、フードプロセッサーなどで細かくします。挽き具合や塩加減はお好みで。
※長期保存する場合、塩は気持ち強く加えます。生クリームは入れません。
1. ココット型や小さな瓶に移し替え、冷蔵庫で保存します。
容器に入れるときは、軽く叩いて空気を抜いてください。出来なければ、パレットナイフを上手く使い数回差し込むと隙間が埋まります。
2. さきほど取り除いた脂を電子レンジで1分(500W)かけ、脂を溶かします。
3. スプーンで具を押しながら脂を掬って、保存用の瓶の方に移し、脂ですっぽり覆います。
密閉性を高めれば冷蔵で数週間と長期保存が可能です。蓋をして、冷蔵庫で保管します。
※右のココットはすぐ食べる用です。
長期保存ができる料理ですので、新鮮な素材選びが重要です。
今回の素材は全て地元のファーマーズマーケットで仕入れをしました。
特にお肉は国内産を選びましょう。リエットは表面に脂をひかなくても、1週間程度は冷蔵保存が可能です。その場合もなるべく空気に触れさせないのがポイント。リエットの表面にラップを密閉させましょう。
記事: mariifurukawaさん
二人の娘の母。きまぐれ画家&クラフト作家&ブロガー。絵を描くより楽しいことに首をツッコミ、常にアトリエが取っ散らかっている困ったヤツ(現在オーダーストップ)。共働きの上、家事をしない親だったので、自分を救出するために包丁を握ったのは小学生の頃から。幼少の時からアトピー性皮膚炎を患っていて、長女出産を機に重症化。医食同源や免疫強化、スキンケア…なんだかや学習して、アトピー克服。現在 美肌の持ち主。
ワインの人気が高まっています。国民一人当たりのアルコール消費量が年々減少する中、ワインはこの30年で約4倍に消費が増えました。とはいえ、アルコール全体で言えば、果実酒のシェアが4.4%ですから、ビールやハイボールに比べると、随分少なく感じます。
そんなポジションのワインですが、世界中で生産されるワインは、種類も豊かで、食事を楽しむあらゆるシーンで、ごはんをもっと美味しくしてくれる魅力に富んだお酒です。
ワインノートでは、もっと気軽にワインを美味しく楽しんでいただけるよう、ワインの基礎知識をはじめ、美味しいワインの情報をご提供いたします。