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少々肌寒いなと感じる夜に、友人たちと「何か家で美味しいものを食べよう!」と気軽に集まる時の我が家の定番メニューとなっているのが、「牛テールスープのしゃぶしゃぶ鍋」。実は料理が得意な友人が博多のとあるお店でこのメニューに出会い、そのあまりの美味しさに感激して舌の記憶を頼りに再現してくれたもの。以来、なんとなく寒さを感じると誰からともなく「牛テールのアノ鍋、食べたくならない?」なんて言い出して、数人で集まっては楽しむのが恒例となっているのです。
爽やかな香りの香味野菜を、それぞれの好みの量だけ豚肉で包み、牛テールの旨味がたっぷり溢れ出したスープに自分の食べたいタイミングでくぐらせて食べるスタイル。香味野菜は季節のものや、お好みのもので大丈夫です。
しゃぶしゃぶして食べるだけでも十分に味わい深いのですが、決め手はオリジナルの配合で作った梅山椒味噌。甘味と旨味がこってりと凝縮された牛テールスープにたっぷりとくぐらせた豚肉に、この梅山椒味噌をちょっとのせるとキリリとしたアクセントになり、なんともいえない美味しさに昇格するのです。
濃厚でもあり爽やかでもあるこんな鍋に今回は華やかなブルゴーニュを合わせてみました。選んだのはステファン・ミュラ (Stéphane Murat)の「オート・コート・ド・ニュイ ルージュ(Hautes-Côtes de Nuits Rouge)」。木苺のような赤い果実のアロマに、ほんのりスパイスが感じられ、エレガントさが広がる一杯です。2015年のブルゴーニュは本当にまとまりが良くて、バランスが良い!今夜の鍋との相性も抜群です。
鍋だしをつくるときには簡単にできるだしパックを使うのですが、私は無添加で鰹本来の旨味がしっかりと感じられる久右衛門さんの久右衛門だしがお気に入り。手間を省きたくても、味の仕上がりや成分はやっぱり気になるところ。だからこそ、もっぱら久右衛門だしのお世話になっています。鍋だしを作っている間に梅山椒味噌を摺り合わせて準備しておきます。あとは、好みの香味野菜をたっぷりと用意して、食べるときに各自で取りやすいように、香味野菜の上に一枚ずつ豚肉を広げて盛り付ければOK!じっくりと煮込んだ牛テールの身がホロホロに崩れる頃、コクのある甘味も旨味も凝縮された鍋だしのできあがり。宴の始まりです。もちろん牛テールはスープに味をつける役目だけでなく、美味しくいただけます。
こってりとした牛テールの肉に梅山椒味噌を少しつけてパクリ。そして、ワインをひと口。今度はたっぷりの香味野菜を豚肉で巻いてパクリ。口の中にほんのり爽やかな味わいが広がったら、またワインをひと口。んんー美味しい!箸が止まりません。実はこの鍋、ガツンと重めの味わいの牛テールと爽やかな香味野菜、そして梅山椒味噌という組み合わせの妙で、鍋といっても冬だけでなく、暑い夏の日でもパワーチャージが必要な時に食べたくなってしまいますから、結局、一年中いつでも楽しめちゃうのです。
<鍋のだし>
<具材>
<梅山椒味噌>
1. 鍋のだしを作る。牛テールは下ゆでして水洗いし、アクや余分な油を丁寧に取り除く。
2. 大きめの鍋(圧力鍋)に分量の水とだしパックを入れ、強火にかける。
沸騰したら弱火にし、2〜3分煮る。火を切り、だしパックを取り出す。
3. 2の圧力鍋に1の牛テールを入れ、圧をかけて30分ほど煮込む。
4. 具材を準備する。
白ネギとセロリのは斜め薄切り、セリ、水菜、セロリの葉は4〜5cm長さのざく切りにする。水に放し、シャキッとしたらざるにあげて全体を混ぜる。
5. 梅山椒味噌を作る。すり鉢で緑茶を擦り、粉っぽくなったら梅、味噌の順に加えては摺り混ぜていく。
6. 2のだしを土鍋に移して熱する。4の香味野菜を皿にのせ、その上にしゃぶしゃぶ肉を1枚ずつのせる。肉で野菜を包んで土鍋にくぐらせて火を通す。
7. とんすいに鍋のスープを少し(大さじ1程度)とり、5の梅山椒味噌を溶かしてたものをつけだれにして火の通ったお肉と野菜をつけていただく。
食べる際に、豚肉に梅山椒味噌をお好みの量だけのせて食べると美味しいですよ!
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そんなポジションのワインですが、世界中で生産されるワインは、種類も豊かで、食事を楽しむあらゆるシーンで、ごはんをもっと美味しくしてくれる魅力に富んだお酒です。
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