目次
ワインの美味しさと個性は、
ブドウの
ワインの
によって変化し、それぞれワインの魅力に大きな影響を持っています。
特にフランスでは、ワインが国の重要な産業であり、厳格な制度を設けてフランスワインの魅力を高める努力をしてきました。その結果、ワインの品質を守るために、生産に関する様々な規制を設けた規則が「ワイン法」であり、1930年代にフランスで初めて制定されたのです。
「ワイン法」の中で、ワインの品質基準を謳ったものが「格付け」にあたります。
現在でも規範となるワイン法、A.O.C.<Appellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)の略称で、原産地統制呼称のこと>は、1935年に制定されました。
フランスワインは、18世紀には既に品質が良いことで有名でした。その後、害虫被害などを乗り越え、世界中での名声を欲しいままにします。
しかし、フランスワインがブランドとして世界的に有名になるほど、まがい品などニセモノの問題が大きく勃発し、フランスワインの名誉はガタ落ちになります。その結果、販売も大きく低迷しました。すると、困るのは生産者だけでなく、税収入が激減したフランス国家も財政が一気に厳しくなったのです。
そこで、世界で初めてともいえる、国が制定したワインの法律ができ、1935年には現在にも通じるA.O.C.が発足したのでした。
こちらのラベル(エチケット)をみてみると、ビンテージ2009の下に、
Appellation Haut-Medoc Controlee
と書いてあります。
A.O.C. →Appellation d’Origine Controlee ですので、Oにあたる部分はORIGINEです。
ORIGINEとは原産地のことを挿していますから、このワインの場合、Haut-Medoc(オー・メドック)のワインだということがわかります。同時に、A.O.C.の規定を満たし認可されたワインであることを印しています。
ちなみに、オー・メドックとは、ジロンド河左岸上流にあり、メドックの中でもサン・テステフ、ポイヤック、サン・ジュリアン、マルゴーの4村の周辺に広がるエリアを指し、優良な5シャトーが格付け入りしていることで有名です。
下の写真のように、裏のラベルに書いてある場合もありますので、しっかり探してみるようにしてくださいね。
A.O.C.<Appellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)>は、フランスワインの品質分類である「原産地統制呼称」であることがわかりました。
現在では、2009年からはEUの規定変更があり、A.O.P.<Appellation d’Origine Protegee(アペラシン・ドリジン・プロテジェ)>と書かれているものもありますが、基本的な考え方はA.O.C.と同様に考えていただいても問題ありません。
このように、細かく品質を定めたものから、緩やかな規定もあり、それによって品質のクラスが異なってきます。以下、フランスワイン4つの品質分類を紹介します。
地理的表示、A.O.C.またはA.O.P.の表示がされており、ワイン固有の品質、個性など特徴を細かく規制された生産背景を表示し、認定されてるトップカテゴリーのワイン。
品質ヒエラルキーの頂点になります。
I.G.P<Indication Géograghique Protégée(インディケーション・ゲオグラフィク・プロテジー.)>は、生産地域や使用品種など、A.O.Cにならって細かく定められていますが、畑まで細分化されている「A.O.C/A.O.P」よりも、区分けが広く規定も緩やかに定めています。いわば、地域レベルに基づいて品質区分されたワインとなります。
フランス国内の認められた産地でつくられたワインで、他地域の葡萄またはワインとのブレンドは禁止されています。ラベル上では「Vin de Pay+産地名」と表示されます。
原産地を表示しないワイン。他地域やフランス以外の他国(EU諸国内)のブドウ、ワインとのブレンドもOK。ヴィンテージ記載の義務もありません。気軽に楽しめるテーブルワインの位置づけです。
一見、無法地帯のワインのようにも見えますが、このつくり方であれば、ブドウの収穫の良し悪しに関係なく、安定した味のワインを提供することが可能になります。価格も安く、アタリを発見できた時の嬉しさはひとしおです。
このように、フランスでは国全体で大きく四つに分類されています。さほど難しくはありませんので、是非覚えておくとよいでしょう。
このほかに、フランスワインでは地域ごとに細かく区分された格付けがあります。そちらについては、またの機会にご紹介します。
ワインの人気が高まっています。国民一人当たりのアルコール消費量が年々減少する中、ワインはこの30年で約4倍に消費が増えました。とはいえ、アルコール全体で言えば、果実酒のシェアが4.4%ですから、ビールやハイボールに比べると、随分少なく感じます。
そんなポジションのワインですが、世界中で生産されるワインは、種類も豊かで、食事を楽しむあらゆるシーンで、ごはんをもっと美味しくしてくれる魅力に富んだお酒です。
ワインノートでは、もっと気軽にワインを美味しく楽しんでいただけるよう、ワインの基礎知識をはじめ、美味しいワインの情報をご提供いたします。