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2020年10月16日

フランスのボルドー地方で生産されるワインの特徴

フランスのボルドー地方で生産されるワインの特徴

世界で最も有名な赤ワインの産地ともいえるボルドー。フランスの南西部、大西洋に近いワイン産地です。ボルドー地方には、ガロンヌ川とドルドーニュ川、そしてその二つの川が合流したジロンド川の3つの川を中心にワイン産地が広がっています。

ボルドー地方では、赤ワインや白ワイン、ロゼ、スパークリング、甘口ワインなど様々なタイプのワインが生産されておりますが、特に有名なのは赤ワインです。

ボルドー地方の赤ワインは、複数のブドウ品種をブレンド(仏語:アッサンブラージュ)して造り上げることが一般的です。使用する品種は主に、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン。各ワイナリーごとに、使用する品種のブレンド比率は異なります。

ボルドーの赤ワインの魅力

ボルドーの赤ワインの魅力

ボルドー地方の赤ワインは、力強く、渋みがしっかりとあるフルボディタイプが一般的です。
若いうちは、渋みや収斂性が目立つワインもありますが、長い時間をかけて熟成させると、渋みが落ち着き、全体の香りと味わいの調和が取れ、旨味を伴います。

熟成を経たボルドーワインの味わいは唯一無二と言えるでしょう。

ボルドーワインはリーズナブルな価格帯のものでも、10年以上熟成させることができますし、トップワイナリーのワインになると、30年以上、さらにトップワイナリーの偉大なヴィンテージのワインなら100年以上熟成させることができるとも言います。

また、一方で、若い頃からも楽しめるようなフルーティな味わいと熟成できるポテンシャルを併せ持ったボルドーワインを近年になり生産されるようになりました。

ボルドー地方のワインは、各ワイナリーに「格付け」がされていることも大きな特徴と言えます。

ボルドー地方の最も有名な格付けは、1855年の第1回パリ万博で、ナポレオン3世の命により制定されたメドック地区の格付けです。

全部で61のワイナリーが、1級から5級まで格付けされました。
その格付けは150年以上たった今でも有効で、ボルドーワインの品質や価格を判断する基準となっています。

ボルドー地方にあるワインの格付けは、他にもサンテミリオン地区、グラーヴ地区、ソーテルヌとバルザック地区の格付けや、クリュ・ブルジョワなどがあります。

ボルドーの代表的な地区

ボルドーの代表的な地区

メドック地区

ジロンド川左岸に広がる地域、ボルドーワインラヴァーは、この地区のことを単に「左岸」と呼ぶこともあります。ボルドーワインと言えば、「メドック」という認識もあるほどのボルドー地方を代表する地区です。メドック地区には、砂利や粘土に優れた土壌があり、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が盛んです。土壌は水はけが良く、砂利質の土壌が熱を溜め込む性質があるため、果実は凝縮しワインに力強い味わいを与えます。
メドック地区内には、サン・テステフ村、ポイヤック村、サン・ジュリアン村、マルゴー村があり、それぞれの村ごとにワインの味わいに特徴があります。また、メドック地区にあるシャトー(ワイナリー)は、お城のような外観を持っているものが多く、ドライブするだけでも十分に景観を楽しんでいただけるでしょう。メドック地区では、毎年秋に各シャトーをめぐる「メドックマラソン」が開催されおり、優勝者には体重分のワインが贈られます。

サンテミリオン地区

サンテミリオンは、中世のころから栄えた街。素晴らしい景観を持っているため、ボルドー地方訪問の際には是非とも訪問いただきたい街です。その街並みとブドウ畑を含む景観が、ユネスコの世界遺産にも登録されています。サンテミリオンは、ドルドーニュ川の右岸に位置することから、隣の地区のポムロールと合わせて「右岸」と呼ばれることもあります。サンテミリオンの土壌は、石灰岩や粘土質に優れ、出来上がるワインは力強くフルボディではありますが、同時にエレガントで滑らかな口当たりを持ったものが一般的です。使用する品種は、メルローやカベルネ・フランがメインです。

ポムロール地区

ポムロールは、メドックと比較すると、とても小さなワイン生産地ですが、世界的に評価されているワイナリーも多く、小規模な生産量と相まって非常に高額で取引されることもあります。土壌は、粘土質に酸化鉄を多く含んでいてボルドー地方でも非常に特徴的です。使用する品種はメルローがメイン。ポムロールのワインは、力強く、リッチで芳醇、熟成とともに様々な要素を表現するワインです。

ソーテルヌ、バルザック地区

ガロンヌ川の左岸に位置する地域のソーテルヌとバルザック地区。世界で最も有名な甘口ワインの生産地域です。こちらの地域は、秋に霧が発生しやすく、その霧のお陰で貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)がブドウの果皮に付着します。貴腐菌がブドウの水分を奪うことにより、果汁と糖分が凝縮され、そのブドウを使用することで甘口ワインが造られています。

アントル・ドゥ・メール地区

ガロンヌ川とドルドーニュ川にはさまれた地域。軽やかな赤ワインや、爽やかな味わいを持つソーヴィニヨンブランを使用した白ワインの生産で有名な地域です。フルボディの赤ワインのイメージが強いボルドー地方ですが、大西洋近くの港待ちという土地柄、現地では魚介類と合わせて白ワインが楽しまれることもしばしばです。アントル・ドゥ・メールのワインはリーズナブルな価格帯のものが多いため、日常的に楽しめるワインといえます。現地では、特産の生牡蠣やシーフードプラッターなどとともに楽しまれています。

まとめ

ワインの世界的な首都といっても過言ではないボルドー。
ワイン愛好家はもちろん、ワイン初心者はぜひボルドーは押さえていただきたい産地です。

ボルドーワインの特徴を覚えてきたら、次はヴィンテージ(ワインが生産された年)を意識してみましょう。ヴィンテージは、生物気候学、収穫量、ブドウの状態から毎年ワインは異なる出来栄えとなります。ボルドーは長期熟成に向いたワインが豊富なので、いろいろなヴィンテージを楽しむのもおすすめです。

企画:ワインノート編集部
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