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2020年6月20日

5大シャトーの分類とメドックについて

5大シャトーの分類とメドックについて

ワイン好きな人なら一度は聞いたことのある5大シャトー。フランスのボルドーで有名な5つの醸造所のことを指します。1855年のパリ万国博覧会において、ボルドー・メドック地区の格付けで“第一級”の称号を与えられた4つのシャトー(醸造所)と、1973年に昇格になったシャトー・ムートン・ロスシルド、この5つのシャトーを5大シャトーと呼んでいます。

メドック地区は、ボルドーでも高額で良質なワインが集まる場所として有名で5大シャトーが生まれるきっかけとなった1855年のパリ万国博覧会の際に、ナポレオン3世の命令を受けて、同時のボルドー市の商工会議所が、メドック地区のワインの格付けを作成しました。

メドックとは?

メドック地区は、ジロンド川の左側、ボルドーの北側にある地区をいい、ボルドーを代表する赤ワインの山地として有名です。メドックのワインの特徴は、タンニン感が強く長期の熟成に向いたワインが作られており、赤ワインのみがAOCに認定されています。

メドックの分類として、

  • AOC:下流エリア
  • AOCオーメドック:サン・ステーフ村より上流の地区

この2つのAOCを含む全体を「メドック地区」といいます。

メドック地区

5大シャトーのワイン

メドック格付1級シャトー(premiers grands crus classés du médoc)です。カベルネ・ソーヴィニヨンが圧倒的に多い地区で、長期熟成型のワインが多く、若いうちに呑んでしまうと、タンニンが強すぎてあまりおいしくありません。したがって10年以上熟成して味わうのにふさわしいワインが必然的に増えました。極上のものは30年、40年寝かせて味わうと、素晴らしい美味しさとなり、世界中から高く評価されています。

シャトー・マルゴー

  • 醸造所:シャトーマルゴー
  • タイプ:赤ワイン
  • 栽培品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、プティヴェルド

フランスでは「ワインの女王」と呼ばれるボルドーワインの中でも、シャトー・マルゴーはしばしば「最も女性的なワイン」と表現されることが多いのです。当時、20点満点でのテイスティング評価が行われていたのですが、その中で唯一20点の満点を獲得しました。

女性らしいエレガントな舌触りと深みがあり、余韻もしっかり残る味わい深いワインです。

愛飲者には、チャップリンや社会学者のエンゲルスなど著名人がいることも広く知られています。

シャトー・ラシット・ロートシルト

  • 醸造所:シャトー・ラフィット・ロートシルト(ロスチャイルド)
  • タイプ:赤ワイン
  • 栽培品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、 プティヴェルド

こちらのシャトーは「王のワイン」と呼ばれ、ヴェルサイユ宮殿ではルイ15世や寵愛を受けていたポンパドゥール夫人を始めとしたフランス革命時代の貴族に愛されていました。

その頃の貴族たちを連想させるような品のある味わいと香りを楽しむことができるこのシャトーはしっかり熟成されており満足感が高いです。パリ万国博覧会の際には最も、高額で取引されてたシャトーです。数あるワインの中でも、品のある究極の一本となります。

シャトー・ムートン・ロートシルト

  • 醸造所:シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)
  • タイプ:赤ワイン
  • 栽培品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、 カベルネ・フラン

メドックの格付けの150年以上の歴史の中で唯一、格付け変更が許されたシャトーが、このシャトー・ムートン・ロスチャイルドです。「われ1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」再度1級へなりあがった際のこの言葉はあまりにも有名です。

果実感のあとにしっかりとタンニンがあり、バランスの良い味わいとなっています。毎年、稀代の著名なアーティストが描くエチケットも有名で、コレクターの心をとらえて離しません。

シャトー・オー・ブリオン

  • 醸造所:シャトー・オー・ブリオン
  • タイプ:赤ワイン
  • 栽培品種:メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、 カベルネ・フラン、プティヴェルド

メドックの格付けの中では異例と言えるシャトーで、メドック地区ではなく、グラーヴ地区からの選出となった唯一シャトーです。他の5大シャトーと異なる点はメルロー種の比率が一番高く、渋みが少ないため滑らかな飲み口であるのが特徴です。

ボルドーで最初に発酵槽にステンレスタンクを用いるなど積極的に新しい技術を取り入れ品質の良いワインを生み出しています。
近年は特に評価が高く、世界的なワイン評価でも、オー・ブリオンが最高評価を得ることが多くなっています。

シャトー・ラトゥール

  • 醸造所:シャトー・ラトゥール
  • タイプ:赤ワイン
  • 栽培品種:カベルネ・ソーヴィニヨン

ポイヤック地区にあるシャトー。長期の熟成に向く濃縮されたタンニン感が強く、ずば抜けた凝縮間感もあり、長期の熟成に向くワインとして有名です。
徹底した品質管理で、シャトー・ラトゥールとしてラベルに出来る区画から、さらに厳選した『クロ・ランクロ』と呼ばれる区画で造られたワインが、シャトー・ラトゥールを名乗る事が出来るといわれています。

5大シャトーでも、、飲み口、後味の感じ方などが様々あることがわかります。世界には数十万種類のワインがあるといわれていますが、世界最高峰のワインをいつかきっと試してみたいと改めて感じました。

5大シャトーのワインまとめ

ナポレオン3世の名によって制定された5大シャトー。同じメドック地区でつくられていても、それぞれ個性が違い、さらには長期熟成に適したワインなので、熟成の深度によって価値は高まり、今も世界的に高く評価され愛されています。

機会があればぜひ飲んでみたいのですが、お値段もそれなりにします。
平均的な金額は、7万円くらいから10万円前後。なかでもシャトー・ラシット・ロートシルトがもっとも高くなります。世界最高峰であり、世界一高価なワインなのでなかなか選ぶのも難しいのですが、エチケットに書かれているAOC、シャトー名、ヴィンテージ(生産年)をよく見て購入することがとても大事になります。

編集部もいつか試すことができるように、今からコツコツ5大シャトー貯金をしていくことにします!

企画:ワインノート編集部
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